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虹彩の宝石箱-資料室-
家族は皆、置いてきた。
そうすれば、少なくとも家族を巻き込むことは無くなる筈だ。
大丈夫。俺一人で良い。
10年前、母が昏睡状態になった。
原因は俺。悪魔に狙われ、襲われた俺を守ろうとして、呪いを被ってしまった。
心臓こそ止まっていないものの、未だに意識は回復する見込みが無い。
どうすることも出来なかった。
ただ怯えて、目を覚まさない母の身体に縋ることしか出来なかった。
けれど、今なら?体術も魔術も、昔よりずっと成長している。
母を害したアレを、殺すことだって、出来るかもしれない。
…いや。殺さなければ。殺して、母を助けなければ―
俺が母を、家族の平穏を脅かしたのだ。落とし前は自分で付ける。
「協力する」と言われたのは正直嬉しかったが、楸にも、蒼にも頼るつもりは無い。
これ以上大切な友人を、家族を、巻き込むわけにはいかない。
…大丈夫。死ぬのは、俺一人で良い。
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