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姿を見るだけで刀や炎を振りかざす、矢を討ってくる。

昔、人間が恐くて大嫌いだった。

切り傷に火傷、打撲傷、掠り傷。ぼくが一体何をしたの?

ぼくのことを「化物」と言うけど、君たちのほうがよっぽどだよ。

オレが今みたいにしてられるのは、全部あの子のおかげ。

怪我を手当てしてくれて、オレに名前をくれた。沢山のことを教えてくれた。

色々な文字、物の名前、……人間の常識、とか。

あの子は、特別な子なんだ。俺を受け入れてくれた、初めての存在。

「一人になりたくない」

そういったときから、今の今までーずっと傍に居てくれている。

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