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最初に、母さんが亡くなった。

彼女の胸を貫いたアレが何だったのか、未だに分からない。

“彼女”の存在を知ったのはそれから。

唯一残った家族が殺された、その少し前。秘密の話し相手になってくれていた。

妹を目の前で喪った後。勢いのまま、自分を殺そうとした。

必死で家族の元へ行こうとした。無駄だったけれど。

本気だった。早く死なないと、早く二人のところへ行かないと…

どうかしてたよ。でも、自分じゃそのことに気付けないんだ。

だから、僕がいなくなるのを嫌がってくれたあの子にはー

今でも、本当に感謝してる。

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